ボケ父、1億円持ってるんだってさ

認知症で老人ホームにいるボケ父の電話。

いつも母が出るのだけれど、案の定、ありもしないカネの話。

「ティー子名義の株券あるだろ。あれ、オレのカネだから。
 あれを小学校に入る準備に使って。」

 

そんな気の利いた言葉、ボケる前に言って欲しかったわ。
事実はいつだって、
「オレが稼いだカネなのに、何で出さなきゃいけないんだ?」

それでいつも母と喧嘩してた。

母は決して負けなかったので、
ボケ父は結局はカネをだす羽目になったけれど

一度たりとも、すんなりと生活費を出すことは無かった。




 

もちろん、40年間ちょろまかした生活費は、
実は娘の私名義の株券にしてありました!
な~んていう夢物語は決してない。

 

私が高校受験の時。
その冬のボーナスを案の定、家に出したくないと父がゴネた。
生活費に、住宅ローンの支払いに、ボーナスを家に出さなくて済む理由は無い。

 

「ティー子がもうすぐ高校に入るんだよ。その前に、受験料がかかるんだよ! 
 受験するにもタダじゃないんだよ。分かってんの?」という母に、父は
「うるせー。オレにはカンケーねー! オマエが何とかしろ!」
怒鳴りつけた。私もその場に居た。

 

これが真実。

 

それがボケた今では、
「オレのカネで、ティー子の学費出していいから」だって。
はらわた煮えくりかえるわ。

 

それから、
「オレのカネ、1億ぐらいあるだろ。あれどうした?
 ティー子の小学校に払って、ここの(自分の)病院代払っても

 まだ残ってるだろ。オマエ全部つかったのか!?」

 



は~。この前は、オレのカネ、3,000万 だったのが
1億に増えてる。。。
自分の現役時代の給料、覚えてないのかね?

 

生活費をちょろまかして貯めた“オレのカネ”は、
妻でも、娘の為にでもなく、てめーのボケ代(老人ホーム代)に払って
文字通り、“オレのカネ”になってますよ。

 

そして、それはもうすぐ無くなり、
今度は“家のカネ”と、“娘のカネ”から払われますよ。

 

私の入学金に使っただんて、大きな顔しないで。

 

ボケ父は、実は1億持っていたなんて、そんな事実はありません。
ボケ父が医療保護入院になってすぐ、部屋を片付けた時に
片っ端から母と見ていきましたから。

 

億の1/100の、ヘソクリが通帳にあっただけ。
これが真実。

 

一体どうやって、オレのカネ 1億 って発想になるんだろう。

 

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コメント

  1. さらり より:

    いつも楽しく読ませていただいています。
    初めはお父様のことそこまで言うの?ちょっとかわいそうだなぁ‥と思っていましたが、読んでいるうちに納得(;^ω^) 最近は更新を楽しみにしています! 家族は大変ですが、ボケた本人は好きなこと言えて幸せですよね。

  2. ティー子 より:

    さらり様

    読んで下さってありがとうございます。
    そうですね~、普通の良き夫、良き父では無かったので、40年間の憎しみがこもってついつい書く言葉もキツくなってしまいます。(^^;)
    また読んで下されば嬉しいです。

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