ボケ父の火葬式

ボケ父の火葬式についてです。

火葬の時間となり、母と私、再び1階のロビーへ案内されました。

葬儀屋さんが用意した白木位牌を私が、母は自前のボケ父の小さい遺影を持ち
火葬場のスタッフさんが、進行役となり、母と私を安置室へ案内してくれました。

ボケ父は戒名は作っていないので、通常の位牌はありませんが、
葬儀屋さんが、ボケ父の名前を書いた立派な白木位牌を用意してくれました。

火葬場の安置室には、立派な棺と、棺は高級そうな布地のカバーに覆われ、
百合の大きな花束があり、¥77,000の直葬プランですけれど
本当に十分に立派な物でした。

火葬場のスタッフさんの司会進行の元、合掌したり、焼香したり。
お坊さんは呼んでいないので、読経などは無く、時間は極く短時間です。
そして、「最後のお別れをして下さい。」と、
火葬場のスタッフさんは席を外しました。

そして、葬儀屋さんと、母と私、3人が部屋に残り。
「お別れが済みましたら、私に声をお掛け下さい。」
葬儀屋さんに言われましたので

母と私、ボケ父の棺に、用意しておいた菓子類とボケ父のシャツを入れました。

大量下血で老人ホームから救急搬送されてからの1ヵ月半。
点滴だけで何も食事ができなかったものですから、
せめて、好物だった甘い物をと思い、カステラ菓子等何種類かを棺に入れました。

あとシャツは、以前、ボケ父の老人ホームに母が衣替えで新しいのを持って行ったら、
老人ホーム側に「十分に着替えはありますので。」と言われてしまい持ち帰った物で
一度も着用していなかったのが家に残っていましたのでそれを入れました。

それらを ささっと手早く棺に入れたら、母と私、顔を見合わせた後、
「はい、終わりました。」と、私が葬儀屋さんへ伝えたら、

「え!? もういいんですか!?
 最後のお別れですから、もっと時間かけていいんですよ。
 こういう風にお顔に触ってあげてもいいですし。。。」
と、葬儀屋さんがボケ父の頬を撫でましたけれど、

だから我々、そういう家庭環境じゃなかったんだって。

母と私、仕方なく、ボケ父の顔をちょっと覗き込んで、手を合わせて
「ええ。もういいです。」 と。

葬儀屋さんは、「はぁ、そうですか。。。」と、
我々がどういう家族か、ようやく察したみたいね。

こんなにも、淡々と粛々と事を進める家族は珍しいのか?
でも、最近は訳アリ家庭も多いって言うじゃない。我々はそっちの方なのよ。

それで、葬儀屋さんが火葬場のスタッフさんを呼びに行って、
火葬場のスタッフさん誘導の下、火葬炉のある部屋へ移りました。
葬儀屋さんが棺を移動させたんだっけかな?

そして、火葬場のスタッフさんが「旅立ちの時間となりました。」
みたいな事を言って、ボタンを押して火葬炉の扉を開けて、二重扉みたいになってたかな。
ボケ父の棺が入っていって、またボタンを押して扉が閉まり、それを見届けました。

遺骨になるまで、1時間半ほどと言われたので、
また2階の綺麗な控室に戻り、ゆっくりして待ちました。

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