認知症診断で、緊急入院へ

痴呆の父を初めての認知症診断に連れて行って、緊急入院になるまでの
母と私の長い一日を書いています。

 

前回の話⇒認知症診断の結果

認知症診断の長谷川式で、30点中、6点しか取れず、認知症と診断され告知された父。
「認知症のお薬あるんだけど、飲みますか? どうします?」 医師の問いに、

「ハイ!飲みます!」 と父は即答。

 

む? これには、ちょっと待った!と私は思って。

私は会社に出入りしている産業医の先生に、前に質問した事があり、
認知症の進行を遅くする薬は高い上に、効き目は認知症の初期に飲まなければ効果は無く、
中度重度で飲んでも意味が無いと教えてもらっていました。
意味の無いものに高いお金は払いたくないです。

それに私も母も、今更、認知症の時計の針を、留めてたり後ろに戻すよりも、
こうなったら早く進めるのが、介護する家族だけじゃなく本人の為だと思っています。
認知症のまま長くただ延命されても、本人だって苦しくて残酷ですから。

 

とにかく、父抜きで医師と話をしたいと、私は無言で合図を送りました。

父の背後で、父を指さした後、部屋の外を指さす合図を数回繰り返すと、
イケメン医師も察して、父を外で待っているように部屋から出してくれました。




 

イケメン医は、問診票と私が用意した父の症状をまとめた資料を読んでくれており、
「今の状況で一緒に生活するのは相当大変だったでしょう。」と言ってくれました。

 

私は、父に勧めた認知症の薬について質問すると、
認知症の進行を遅くする薬ではなく、それはもう手遅れだと。
父に飲ませようと思ったのは、すぐに激高するのを大人しくする精神安定剤との事でした。
そしてイケメン医は、
「でも通院をやめちゃったり、血圧の薬も飲むのやめちゃったんだよね? 
 大人しくご家族の言う事きいて、薬飲む人じゃないんだよね?
 どうする? 入院する?」

 

え!? 今なんとおっしゃいました?

 

なんでも、このクリニックの母体にあたる病院が、ここから離れた所にあり
そこの認知症病棟に入院させる事ができるのだそうです。
しかも、その母体の病院に、後日また予約を取って出直すというのではなく
今から行って、即、父を置いて帰って来れるというのです!

 

母と私、顔を見合わせながら「どうする?(私はそうしたい…)」
「どうする?(うん、異議ナシ…)」とお互いの腹の内を探っていたら、
イケメン医も母に、
「奥さん、これ以上一緒に生活するの無理でしょう? 
 このままだと奥さんも娘さんも倒れちゃうよ。
 入院させましょう!」
と、
後押ししてくれて想定外の父の入院が決定しました。

 

も~この時は、イケメンの先生が神様に見えましたね。

まさに私と母の救世主です。

次に続きます。

 

 

 

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母と私の長い一日認知症の介護地獄
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コメント

  1. みみ より:

    うっかりして途中で送信してしまったので、先に送ったぶんは公開しないでください。ごめんなさい。
    薬が効けばかなり落ち着きますよ。
    現在、便秘で不快感があると家に帰ると騒いでいるようです。母にとっての家とは自分の生まれた家。でも、入りたいトイレは自宅のトイレだと思います。存在しない人と喋ったり言われてもいない悪口の心配をしたりはなくなりました。あんなにこだわっていたお金の話もしません。物事を正しく「認知」することはもちろんできませんが。自分のお金を私が管理しているのに気にならないんですかね。
    私のこともわからなくなり、食事をすることも忘れたら心安らかに母に会えるのかもしれません。今は会いたくないけれど仕方なく兄と二人でお見舞いに行っています。

    ポテチは、うすしおに自分で青のりを混ぜて食べるのが好きです。私の会社では風邪がずっと流行っています。お気をつけください。

  2. ティー子 より:

    みみ様
    なかなか大変な状況だったのですね。
    お母上は、特養に入っている現在、体の方はどうなのでしょう? 不自由なく寝起きして歩けますか?
    結構いっぱい、持病をお持ちみたいでしたが。

    >私のこともわからなくなり、食事をすることも忘れたら心安らかに母に会えるのかもしれません。

    この感覚、とてもよく分かります! 私も、父が入院している間に、私達の事や家での生活を早く忘れて欲しいと思っています。

    ポテチ、みみ様はオリジナルで作っているのですね! 青のりを自分で濃い目にして食べると美味しそうですね。今度私もやってみます!

  3. みみ より:

    母は入院前は杖をついていました。入院中危険だからとりあげられ、手すりにつかまりながら歩行。閉鎖病棟は楽しかったようなのですが(?!)老健ではいつ行ってもベッドの中でパジャマ姿。どんどん脚は萎えて行き、今は手をひいてもらって歩いています。散歩は車椅子使用。歩行がたどたどしいのは服用している薬の副作用もあるようです。
    規則正しい生活と食事でぜいたく病は治りました。肝炎も元々寛解だったので薬なしになりました。甘いもののことも忘れてしまったようです。欲しいとは言いません。
    精神病院の閉鎖病棟に親を捨ててきてしまった、と私は苦しんだ時もありましたが、本人は入院生活をなぜかエンジョイしていたので救われました。病院なのでリハビリとして工作をしたりカラオケしたりしていました。
    特養の同室のお仲間たちはどんどん活気がなくなっています。母はやる気なし子さんで怠け者なので自宅にいるときから座ったままですから、何も変わらないです。薬のおかげであのひどい幻覚妄想がなくなりました。本人らしさは失われるかもしれませんが、決して得られないものを求め続ける焦燥感は感じなくなって良かったと思います。
    本人たちも私たち家族もなるだけ穏やかで生きていきたいですね。

  4. ティー子 より:

    みみ様

    確かに、病院や施設にいると、規則正しい生活と食事療法で健康になりますよね。
    うちの父も、自宅にいる時は、インスタントラーメン大好きだったし、ご飯を食べるのも忘れてたりしていましたから、入院して健康になって、ますます長生きしてしまうんじゃないかと、その点は私も憂慮しています。

    >精神病院の閉鎖病棟に親を捨ててきてしまった

    私もまさに同じ状況で、「もっと悪い状態の親を在宅介護で頑張っている人もいる。。。」と少し罪悪感はありました。
    だけど、自分の生活も大事。
    共倒れが一番最悪で、これを避けるには仕方のない事ですよね。

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