ボケてても抜け目ない。

先週に痴呆の父が外で転倒し頭を打って、2回目の救急搬送されたと書きました。

その時、ボケているわりには抜け目ないな~という父の行動があったそうです。

父がCTを撮りに母と離れている間に、父が医者に就業能力があるという証明書を書かせ、
それを隠し持っていたのでした。

 

母の話では、
父は救急車に乗ってから、本当にぼんやりとして操り人形のように言われるがまま、
ただ後を着いてくるだけで、見るからにボケている人だったそう。

それなのに、母の姿が見えなくなった途端、
医者に交渉して就業能力の診断書を書かせるという知恵を働かせて。。。

じゃあ母の前ではボケーっとして、
何から何まで世話をさせていたのは芝居だったのか!? 
ボケてるくせに人を出し抜くようなマネをして! と母はすごく驚いて怒り心頭でした。




 

父が医者に証明書を書かせていたと判明したのは、
救急車で搬送された翌日、父がいつもの徘徊出勤をして留守にしている間に
病院から母に電話があり、

・昨日、父に証明書を発行したが、それはダミーで、
 わざと担当医の記名押印はしていなく、有効な証明書ではありません。
・従って、発行手数料は請求していませんからね。

本人から強い希望があったので、担当医が診察をスムーズに進める為に
 その場では書いたが、実際は就業能力の証明はできない。

 

という連絡を受けたからです。

 

それで母は、そんな事は知らなかったのでびっくりして、
父の部屋へ行ってちょっと探してみたら、そのダミーの証明書が出てきたのです。

 

宛先:会社殿
○○○○(父の名前)は、軽作業の就業能力がある事を証明します。

 

と書いてありました。
宛先が「会社殿」になっているのは、父が正しく会社名を言えなかったと思われ。

 

毎日、自分で退職した職場へ徘徊出勤しているとはいえ、
やっぱりおかしいな?と自分でも思うところがあったのでしょう。
それで、就業能力証明書を書いてもらって、仕事に復帰しようとしていたのか? 
そう思うと父もちょっと可哀想ですね。。。




 

父は、現役時代はうだつが上がらなく、全然仕事熱心ではなかったのですが、
定年後に就いたシルバーの仕事は確かに気に入っていました。

シルバーの仕事なので、週に何日か出勤する短時間の簡単な軽作業で、
現場を見張るうるさい上司も居なく、少人数の同僚だけで気楽にやっていたようです。
それに、シルバーで働いた分は家に入れずに全部自分のお小遣いになっていました。
だから今でも熱心に徘徊出勤するのですね。。。

 

当然、その証明書は母がその場で没収。
でも、それから父から「証明書が無くなった」とか何も言ってこないので、
そういう物をもらった事すら忘れてしまったのでしょう。

認知症というのは残酷な病気ですね。。。

 

 

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認知症の介護地獄
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コメント

  1. マリア より:

    おひさしぶりです。こんにちは。
    母の闘病で家事と仕事に追われているので
    なかなかパソコンの前に座れず……(苦笑)

    なんだか大変なことになっていますね……。
    祖母が認知症だったので
    ティー子さんのお気持ち
    少しは理解できると思います。

    1日も早く施設に入ってもらえるといいのですが。
    経験からいって
    同居家族が精神的にもちません。
    (我が家では飼い犬さえおかしくなりました。
    祖母の不可解な行動は愛犬も混乱を覚えたようです)

    「抜け目ない」のは本当にそうです。
    言葉は悪いですが、どんなに、もうろくしていても
    自身の利益や損得にはとても敏感なんです。
    こちらがびっくりするような言動をとって
    驚かされたこと数知れずです。
    そしてご近所には認知症とは思えないくらい
    「いい人」を演じていました(苦笑)

    残念ながら相手には道理は通じません。
    どうか頑張りすぎないでくださいね。
    難しいかもしれませんが、
    私も自分に言い聞かせている毎日です。

  2. ティー子 より:

    マリアさん。

    やっぱり体験者の言葉ですね。本当にそのとおりなんです。外の人には、いい格好をして、まともに見えてしまうんですよね。
    それにしても、愛犬までおかしくなってしまうなんて、認知症の威力はそんなに強烈なのか。。。

    確か、マリアさんも持病があって体調が良くなかったはず。。。 それに一人っ子ではありませんでしたか?
    お母上の事、家の事、仕事の事、全部一人で背負って大変ですね。マリアさんも仕事とか、家事とか、手を抜けるところはなるべく抜いて、どうかご自愛下さいね。

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