前回、母の熱と咳が長く続いており、私が会社から帰った後に、
病院の夜間救急外来に連れて行ったと書きました。
母は1週間経った現在も、咳と熱が治まらずずっと家で寝たまま。。。
年寄りで免疫力が落ちているのか、回復もとても遅いです。
夜間救急外来に連れて行った時のエピソードなのですけれど、母の病院での、「年寄りあるある」なトンチンカンな様子に、愕然としてしまいました。。。
母は74歳で、今は熱と咳が治らなく弱っているけれども、普段は元気で、年齢以上に体は動くし、
見た目も10歳以上若く見える。それから頭の方だってちゃんとしていて、
私は、母に限っては、認知症には絶対にならないと、一点の曇りなく思っていたのだけれど。。。
今は、母だっていずれ認知症になるかもしれない、普通の前期高齢者の一人なのだと考えが変わってきました。
というのも。。。
病院での、母のトンチンカンな言動といったら!
私が家に帰ったら、母は夕飯を食べる元気もなく、熱が38.3度もあって、ゴンゴン痰交じりの咳をして、リビングのソファにぐったりして横になっていたのに。
病院へ行こう!と私が言って、タクシーが来るまで支度をしていたら、外出着に着替えた母が、
「ねぇねぇ! どっちのバッグが似合うと思う?」って、嬉々としてグッチのトートバッグと、籠のバッグをとっかえひっかえ。
は?バカなの? 自分が具合悪くて病院行くんだよ? 夜だし誰にも会わないよ。
グッチのバッグの方に財布や鍵が入っていたので、グッチでいいと私は言いました。
で、タクシーに乗ったら、「あ!指輪してくるの忘れた!」だって。(-_-;)もう。。。
病院へ着いて、問診票などの症状は、私が母の代わりに記入しました。
何だか母は、家にいた時よりも元気になっているのが気になりました。
それで、家では母はぐったりして横になっていたので
診療まで待っている間、病院の長イスに、「上半身だけでも横にして休んでいたら?」と私が言っても「ううん、いい!」と、頑として横にならず。
背筋をシャキ!っと伸ばして、おすまし顔で座っている。
家ではあんなに咳をしていたのに、病院に着たらパタとしなくなった。
私が母に、「ねぇ、咳は出ないの?」と聞いたら、「うん、何か出なくなった。」だって。
でも私は、
「出なくても、医者の前ではいっぱい咳をしてアピールして。家では咳していたんだから。
大袈裟ぐらいにして伝えなきゃ、ちゃんと手当してもらえないよ?」
と言っても、母はプンとすまして返事をせず。
で、診療室に呼ばれて。
医者に「どうしました?」と聞かれても、何故か母は、お澄まし顔をして私の顔を見るばかりで。
私が母に代わって、母の最近の状況を伝えました。
熱が38℃も出て一週間も下がらない事、咳がひどくて最近では痰に血が混じっているらしい事。
喉がものすごく痛くて食事も満足にできない事、体がしんどくて起きていられない事など。
母が普段、私に訴えている事を言ったのに。
私が一通り医師に説明して、医師が母に、「そうなんですか?」と問いかけると、
母は、「いえ、そうですけど、今はそれほどでもぉ。オホホ。」 だって! は!?
で、熱を測ったら、37度だって。38度無いじゃん!
医師に、「痰に血がどのぐらい混じっていましたか? 沢山?」と聞いたら
母は、「少し。。。」だって。私には、「血が出た!」ってギャーギャー騒いでいたのに。
医師が、母の喉を上から触って、「どの辺りが痛いですか?」って聞いているのに
「あの~。痰って、どこから湧いて出てくるんですかねぇ?」なんて逆質問して、聞いていないし。
私が、「先生がどこが痛いですか?って聞いているよ?」と母に言っても、母は無言。
私が、「いつも『ここが痛いっ』て自分で押して言ってたよね?」と母の喉元を人差し指で触ったら、
ようやく「うん、そうそう。ここが少し。。。」って、少しかい!
「喉があまりにも痛くて、食事がまともに取れないらしいんですよ。」と私が医師に伝え
医師が、母に、
「食欲はありますか?」と聞くと、母は、「食欲あります。。。」だって。
うそー!?
私は慌てて、「食欲はあるのに、喉が激痛で、何も食べられないから辛いんだよね?」
とフォローしたら、「そうなんです。」って。やれやれ。
私が、「一週間も、熱が下がらないでずーっと咳が止まらなくて、体力が弱ってぐったりしているんですよ。」と言ったって、
本人がシャキっと背中を伸ばして、すまして座っているものだから、咳もあんまりしないし。
「そんなに容体が悪いように見えませんよ? しっかりしてますね?」なんて医師に言われてしまうし。
母も、「あらやだ、そんなぁ。。。」なんて嬉しそうに、ますます背中を伸ばしてちゃんとしたところを見せようとする。
なんだか、家での様子と全然違う。。。
なんか、普段は病気で具合の悪い年寄りが、病院とか要介護の判定の時に限って、しっかりして元気になるのに似ているなと思いました。
普段、自力で立つのすらおぼつかないのに、要介護の判定の時は、頑張って片足立ちまでしちゃったり、いつもはボケボケなのに、医者の前では、今日の日付をちゃんと言えたりとか。
もしかして母も!? と思ってしまった。
それで、一通りの診察が終わって、薬を出してもらえる事になって
(薬は、母が元気なので、医師は必要無いんじゃないか?と言ったのですが、
私が頑張って訴えて、出してもらった。)
待合室に出て精算を待っていたら、とたんに母がゴンゴンと咳を始めて、
しんどいから横になりたい。。。とか言い始めた。
今更! 診療が終わった後で、遅いわ!
何なんだろうね? 家に帰った後で、熱を測ったら、また38.3℃ありました。
病院では37℃しかなかったのに。
咳も、仮病でしているとは思えなく、本当に咳をしている。
たぶん母は、外では八方美人のエエカッコしぃなので、
人前に出ると、本能的にシャンとしてしっかりしているように見せてしまうのだろう。
昔の人に、そういう人が多い気がします。
でも、自分の病気の事で病院に行っているのに、そんな風に見栄でしっかりして見せても本末転倒なのに。
頭が良くてしっかりしていると思っていた母が、「年寄り病院あるある」みたいな事をしていて、
普通の前期高齢者にすぎなかったと、ちょっとショックでもあり、
認知症、大丈夫かな?と心配にもなってしまったのです。
診察の時の医師とのやりとりが、母の反応が鈍かったのと、
自分では話そうとせずに私に頼っていたのが気になって。
私がフォローして色々話さなければ、あの診療は成立せず薬はもらえなかったし、
わざわざ夜間救急で行った甲斐が無くなっていた。。。
母が今までの熱と咳で弱って、ボーッと思考停止になっちゃったのと
私が最初にしゃしゃり出たので、そのせいだとは思うのですが。。。
まさかね。。。
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