好きで就職氷河期に社会に出たんじゃない（怒！）

会社で、中途採用で正社員を雇おうとしていて、
50歳イケメンモテおじさん（中途採用を入れる部署の人）と、
採用担当（人事部、転職エージェントとのつなぎ役）の会話が聞こえてきました。

転職エージェントを通して応募してきた経験有の40代男性の職務経歴が、
30歳以降の職歴はちゃんとしているものの、20代の頃が
『就職氷河期だった為、しばらくアルバイトをしておりました。』と職歴が無いのだそうな。

採用担当の女性が職務経歴書を見せながら、
「でも30歳以降は、ちゃんとしてますよ？　
　経験ありますし、正社員ですし。転職歴も1回で、今の会社は長く勤めてますから。
　どうです？ 面接します？」　と。

そしたら、雇う側の 50歳イケメンモテおじさんが、

「え～？　20代の頃、ずっとアルバイトだったの？
就職氷河期とは言ったって、厳しいながらも仕事を見つけて就職した人達だって沢山いたワケでしょ？　
そういうちゃんとした人が回りにいた中で、定職に就かずにフリーターしてましたってどうなの？
やっぱ頭のネジぶっ飛んでいる人なんじゃない？　
就職氷河期って時代に甘えてただけなんじゃないの？」

と発言。
20年前の大学卒業時の職歴がアルバイトであるのを理由に、書類落ちにする意向であった。

話をしていた、採用担当は若い女性なのだけど、
「頭のネジぶっ飛んでるって。。。　そんな事ないと思いますよ？　
　就職氷河期って大変だったらしいじゃないですか？」
と言っていたけれど、
50歳イケメンモテおじさんは考えを変えないようだった。

私は、近くの席でそれを聞いていて、
私自身がモロに就職氷河期世代で就職には苦労してきたので、ムカついてきて！

50歳イケメンモテおじさんは、前に自分でも言ってたんだけど、バブル世代じゃないか！
バブルという時代に甘えられたのは自分であって、
何が『就職氷河期って時代に甘える』だと！？
どうやったら氷河期に甘えられるんだよ！

就職氷河期って、企業が一斉に新卒採用を取り止めて、
学生たちが途方にくれた厳しい時代だったからこそ、
この世代をロストジェネレーション、失われた世代と呼ぶんじゃないか！

50歳イケメンモテおじさんは、その40代の応募者の事を、
20代の頃に就職難でアルバイトに就いて『頭のネジぶっ飛んでいる』ていうけれど、
あなたのほうこそ、バブルで頭がおめでたいんじゃないの！と思ってしまった。

就職氷河期の、あの大変な就職難を知らないくせに！
人の大変さを想像もしないで、
自分の楽な時代の経験値でものを言っているんじゃないよ！

それに、20代はアルバイトのフリーターだったとしても、
30歳で正社員になって、40歳になった10年間は真面目に頑張ってきたというのに、
つっこむのは、30代を飛び越えて20年前の、20代の卒業後のアルバイト時代か？　と。

その応募してきた人だって、30歳でホイっと正社員になったんじゃないと思うよ。
大学卒業後の、20代のアルバイト時代にも、何度も正社員の職にトライしてたんだと思う。
新卒の時に正社員になっておかないと、その後の転職には相当不利なんだから。
正社員になるのに努力を重ねたと思うよ。

日本の社会って、本当に新卒至上主義なのね。
大学卒業してすぐに正社員で就職しておかないと、こうやって、
20年経っても、転職の時にそこが引っ掛かって、書類で落とされるという。
10年間の正社員の実績があるのに、見られるのは、新卒時にどこで働いていたか、なのだ。

しかも就職氷河期という、望んでも頑張っても、
職を得られなかった人が大量にいた時代だったというのに。

そうやって50歳イケメンモテおじさんは、人の、どうにもならない過去に勝手にこだわって、
そのくせ「良い人が応募して来ない～」って嘆いている。

私が就職氷河期世代なので、我が事のように腹が立ってしまった。
何が、『就職氷河期って時代に甘える』だ。
この言葉がムカついて、頭からしばらく離れませんでした。