私は物心がついた頃からずーっと同じ街に暮らして、同じマンションに住んでいます。
一度も実家を出た事の無い、生粋の子供部屋おばさんです。
同じマンションに住んでいた子供たちは、みんな同じ小学校に通いました。
でも、一緒に育った小学校の同級生達は、
いつの間か引っ越したり、親の世代はここに住んでいても
結婚して独立したり、結婚しなくても実家から出て行ったりで、
気が付けば残っているのは、私とＡ子ちゃんだけになっていました！
私は、結婚願望が無かったのと、
ボケ父は大嫌いだったけれど、母が大好きだったし、
住んでいる家も、街も大好きでした。
家は広くて間取りも陽当たりも良いし、
街は都心からは離れているけれど、買い物するには困らないし、
車が無くても生活に不自由しない、とても環境が良い。
普通は社会人になったら実家を出るのだろうけれど、
私は、ちょっと遠いけれど通勤は家からできる範囲だったし、
（年をとった今は、結構キツイけど。。。）
元々 安い給料の大半を、東京の狭い部屋の高い家賃につぎ込むぐらいなら、
そのお金を貯金したり、海外旅行に使った方が良いと思って、
何も迷う事なく実家に住み続けました。そして今日に至ります。
今は、宿敵ボケ父を老人ホームに入れたし、母と二人暮らし。
ローンを払い終えて、リフォームも済ませたこの家で、
早期リタイアを射程圏内に押さえ、
ますますこの街を、家を、出る理由が無い。
そして、もう一人残った女、Ａ子ちゃん。
Ａ子ちゃんとは幼稚園から一緒で、幼なじみと言えます。
彼女も、私と似た者同士。
うちのボケ父とはまた違ったタイプの、金に汚い父親を持ち、
父親が大嫌いで、結婚願望が一切無い女に育ってしまった。。。
そんでもって、派遣社員だから資金難もあって、実家を出れないのもある。
Ａ子ちゃんも、派遣社員で給料が安いながら、実家暮らしを強みに、
アラサーまでは、私と一緒に海外旅行で色々な国に遊びに行きました。
小学校の同級生たちの顔を、順番に思い浮かべてみたけれど、
物の見事に、私とＡ子ちゃんだけが残り、
他の皆は街からいなくなってしまったなぁ。。。
私は、仲良くしていた同級生で、同じ独身女のＡ子ちゃんが近所に居るから
この状況を何も不思議に思わなかったけれど、
他の同級生や近所の人から見たら、結婚せず、実家から出ず、街に残った
私とＡ子ちゃんの事を、奇妙に思っているかも知れないなぁ。。。
今流行の、子供部屋おばさんだと、バカにしているんだろうなぁ。
私は、Ａ子ちゃんがいたから自分も街に残ったワケでは決して無い。
だけど20代の頃に、Ａ子ちゃんが街から出て行ってたら、
私も「こうしちゃおれん！」と、街から出て行ったのかも知れないなぁ。。。
今となっては、私が街から出て行く選択肢はありません。
Ａ子ちゃんは出ていくか分からないけど、ね。
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